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北海道アングラーズペンクラブ  【2016年記事一覧】 


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釣りの専門紙や雑誌など各種媒体に掲載された記事や、書き下ろしのエッセイなどを掲載。
※ 転載については許可を受けています。


2015〜2016 釣りと魚と環境、この一年(下)
積丹沖サクラマスは、ここ十数年にない好調。ブリ、サバ、マイワシ豊漁。マイカ、サンマ、ホッケ不漁。脱ダムはどこへやら。ニジマスは残った。

 石狩湾新港では、昨年は5月からシャコがよく釣れていた。10月には秋ニシンも良かった。夏場の道央、道南日本海の港では、サバ、イワシなど暖流系魚種が盛況だった。室蘭港では春から初夏にかけてのカレイ投げ釣りが好調だったが、同港や苫小牧方面のアナゴはぱっとしなかったようだ。
 苫小牧沖は、春の大型マガレイ、ソウハチ、そして夏場はマイカ(スルメイカ)昼釣りと続くが、マイカは開幕が送れ、8月後半になっても貧果だった。おまけにサメが多く、仕掛けごと持っていかれるという被害が続出した。サバもうるさく、マイカの3桁釣りは過去のこととなりつつある。
 日本海積丹沖のマイカ夜釣りは、ほぼ例年どおり6月下旬に開幕した。良い時は、1人300、400匹だったが、片道1時間というような遠いポイントでの釣りが多かったようだ。函館など渡島管内のマイカは、漁獲量が過去最低となった。一方で、釧路、根室などの道東は豊漁だった。津軽海峡周辺の海水温が高く、太平洋を北上してくるマイカの漁場が、海水温が低く適水温の道東沖に形成されるという傾向が続いているためらしい。鵡川などの日高沿岸のシシャモが過去最低水準の不漁だったのも、海水温上昇との関係が取り沙汰されている。
 道東では、サンマが前年よりも大幅に減って、過去最低の不漁となった。水温上昇で公海上に漁場が形成され、中国などの外国船が大量に漁獲しているのも一因と言われている。サバやマイワシは豊漁だった。サンマなどは豊漁だと、ベトナムなどに輸出するという時代となった。
 昨年は、農水産物の輸出が過去最高となった。あれだけ騒がれていた食料の自給率問題はどこへやら。「あんなものは、農水省が補助金を分捕るためにでっちあげたプロパガンダ」という識者もいる。カレー屋チェーンのチキンカツじゃないが、食べられずに捨てられている食品は年間に500〜800万トンで、コメの収穫量とほぼ同じという。今後はTPPで、さらに食料が日本になだれ込もうとしている。さすがに、こんな日本で「食料の自給率が危機的!」などと叫んだところで、だれも省みないだろうし、マスコミも取り上げなくなった。
 どこへやらということでは、脱ダムもそうだ。昨年、マスコミが話題にしたのは、当別ダムの完成後に、札幌市が水の需要予測を下方修正し、「本当に必要だったのか」と市民団体が反発したということぐらいだった。国民の関心事の風化速度は、相変わらず速い。風評被害がしぶとく残る中で、原発もじわじわと再開へと向かいだしている。有名寿司チェーンにより、毎年初せりで高値で落札され、話題になっている大間のマグロは、いつまでもブランドであり続けられるのだろうか。
 暖冬だったこの冬。オホーツクでは流氷の接岸が遅く、規模も縮小している。網走では観測史上、最も遅い2月22日となった。石狩や小樽の海岸では、今年の2月に春ニシンの群来(くき)≠ェあった。漁も好調で釣り人もおこぼれにあずかった。昨秋から今春にかけては、道央、道南日本海の磯や港のヤリイカが好調だった。
 積丹沖のサクラマス釣りは、例年5月10日ごろまで続く。本紙が店頭に並んだ時には終了しているだろうが、今季は好調だった。3`を超える大型も目立った。ある遊漁船の船頭さんは、「これほど良かったのは、ここ十数年にない」と話していた。瀬棚方面から道南にかけても好調だった。以前は、邪魔者だった外道のホッケが、不漁で高級魚になり、リリースせずに持ち帰る人が増えたという。
 日本海のサクラマス船釣りは、瀬棚から南は、バケ釣りが中心。「持ってはいるが、滅多に使わない。数釣りには向かないと思っているのかも」と奥尻の釣具店。積丹沖は小型のうちはバケで、型が良くなるとシャクリになる。しかし、近年はルアーを使う人も増えている。「サクラマス用に改良が進み、実際釣れている」と、前出の船頭さんも話していた。今後は、夏場のブリと並ぶ2大ルアーフィッシングとなるかもしれない。昨シーズンのブリも活況を呈した。
 胆振沖のサクラマスは、今年の1月になっても水温が10度ほどと高く、サバ釣りになってしまった。「例年は6度ぐらい。この時期にサバが釣れることはなかった」と苫小牧西港のベテラン船頭さんは話す。サクラマスは2月に入ってからようやく本格化。1月の不振を挽回するほど好調で、シーズンも長く続いた。
 胆振沖でサクラマスの少し前に始まるスケトウダラはまずまずだった。スケトウダラの資源が良いのは胆振沖ぐらいで、日本海側が激減、根室海峡系群はロシアのトロール船に根こそぎやられて不漁続き。羅臼方面はブランドのホッケも大不漁で、幻の魚になりつつある。ロシア200カイリ内のサケ・マス流し網漁も禁止された。海水温の変動だけでなく、トド被害、プーチンにも振り回され、漁業者の困難は尽きない。
 豊浦町の秘境駅で、廃止が取り沙汰されたJR室蘭本線「小幌駅」は、4月から1年間存続することになった。その後については、利用されなければ廃止だろう。小幌駅は、秘境釣り場として知られる小幌海岸への唯一の陸側ルートでもある。ぜひ釣りに行こう。
 道による指定外来種の指定から、とりあえずニジマスは免れた。今後も検討が続けられていくので、釣り界は気を引き締めなければならない。
4月8日、岩内港の新港地区(旧フェリーふ頭)で、札幌市の釣り人が海に転落して死亡した。まことに、残念だ。毎年春先は、天候の急変などで、釣り人の事故が起きやすい。くれぐれも注意してほしい。
2015〜2016 釣りと魚と環境、この一年(中)
石狩・茨戸川の氷上ワカサギ釣りにニュースポット出現。カラフトマスは、2014年に続き絶不調だったが、サケはまずまず。

 前回(上)は、昨年の釣り関連事故について書いた。ワカサギ釣りの期間に、関連事故が起きないよう願っていたが2月21日、砂川市の砂川遊水地と剣淵町の桜岡湖で、一酸化炭素中毒らしき症状により釣り客が病院に搬送された。いずれもテント内に持ち込んだガスストーブやカセットこんろが原因とみられている。幸い命に別状はなかったが、危ないところだった。今号が店頭に並ぶ頃にはシーズンを終えているが、無事であることを願いたい。
 ワカサギ釣りで気になったのは、白老町のポロト湖だ。今季は不調で、釣り客は営業日数が少なかった昨年よりは多かったものの、1月18日からの49日間で1792人と、営業日数が同じ一昨年に比べ1404人少なく、約44%も減った。そんな中、不調の原因として広まったのが、「ブラウントラウトに食べられた」という噂だ。管理者の白老観光協会に聞いてみたが、「ブラウントラウトについては、見たことも聞いたこともない。ウグイがいつもより多かったので、不調はその影響かも知れない」とのこと。何かと悪者にされるブラウントラウトも、苦笑いしているに違いない。
 お隣の苫小牧市にある錦大沼は無料の釣り場。データがある平成19年度以降、解禁日数が4番目に短かった(35日間)にもかかわらず、過去最高の釣果(9万4580匹)を達成し、2749人の釣り客が訪れた。錦大沼のワカサギは自然繁殖。大切にしたいものである。沼を管理し、釣果まで集計している苫小牧市にも敬意を表したい。
 一方、相変わらずほったらかし≠フ石狩・茨戸川は、今季もワカサギ釣りツアーの観光客で、活況を呈した。関係者の話しから推計すると今季は2000人以上の利用客があったようだ。料金は昼食付き、釣りたてのワカサギてんぷら付きなどで、7000〜8000円といったところ。冬場の体験観光スポットとして、どんどん既成事実化している。それなのに、公設のトイレ一つないなんて…情けない。
 茨戸川の釣り場としては、これまで通称焼肉店前=Aサーモンファクトリー裏≠ェ人気を集めてきたが、茨戸川緑地裏=i位置的には札幌市)というニュースポットが出現し、注目されるようになった。よく釣れる上に、茨戸川では北にあり、氷が解けるのも比較的遅い。札幌市の公園施設である「茨戸川緑地」の駐車場が近く、管理事務所内のトイレ、休憩スペースも利用可能。来季以降、利用者が急増しそうだ。もちろん、ワカサギ釣りは公園施設とは無関係。あくまでも、自己責任である。

石狩・茨戸川のニュースポット茨戸川緑地裏=B南側に生振大橋が見える。

 茨戸川に限らず、道内のワカサギ釣り場は、中国など外国人観光客にとっても人気の的だ。網走湖などは流氷観光などとの抱き合わせで、特に市内に近い呼人地区は大変なにぎわいだった。観光客は、「ワーワー」、「キャーキャー」と、10匹も釣れれば満足するが、地元客は、騒々しいと釣果に影響するので、女満別地区を利用するそうだ。
 カラフトマスは、2015年も不調だった。カラフトマスを原料とする「サケ缶」の製造が危機に瀕するほどだった。水産総合研究センターの「平成27(2015)年さけます来遊状況」(第5報:11/30現在)によると、平成16(2004)年以降、奇数年が豊漁年、偶数年が豊漁年に相当するが、豊漁年のはずの2015年の来遊数は210万尾で、極端な不漁だった前年に比べれば133%でやや上回ったものの、平成16(2004)年以降の奇数年の平均来有数880万尾に比べると24%に過ぎず、極めて低調だった。
 一方、サケについては、同じく「平成27(2015)年さけます来遊状況」(第7報:1/31現在・最終報)によると、北海道の来遊数(沿岸漁獲数と河川捕獲数の合計)は3677万尾(前年同期比105%、平年同期比81%)でますまずといったところ。
 地域別では、日本海側が1849万尾(同103%、同95%)、太平洋側は、1828万尾(同107%、同70%)だった。
 「平成27年秋さけ沿岸漁獲速報(12月31日現在)」(北海道連合海区漁業調整委員会調べ)による漁獲尾数では、総計3321万尾(万未満四捨五入、以下同)。系統群別では、オホーツク全体で1468万尾、前年同期比101%(小数点以下四捨五入、以下同)。東部(同108%)や西部(同119%)は前年より良かったが、中部は同81%で苦戦した。
 根室は計720万尾で、東部、西部とも前年を7〜8%ほど上回った。 えりも以西は541万尾で、合計では前年比118%。道南が同89%、噴火湾が同87%と前年を下回ったが、胆振は同125%、日高は同146%と大幅に上回った。釣りも、歌別漁港や白老、苫小牧などの沿岸でも好調で、恩恵を被った。
 えりも以東は計404万尾で、同86%。東部、西部とも前年を10〜20%ほど下回った。
 日本海は計189万尾で、同111%。北部は同88%、中部は同147%、南部は同130%だった。サケはまあまあだが、カラフトマスは、今年は不漁年にあたるだけに心配だ。
2015〜2016 釣りと魚と環境、この一年<上>
マリンレジャー全体の事故数は減ったが、釣り中の事故は逆に増加。川での死亡事故も相次ぐ。


 2016年(平成28年)1月5日、第1管区海上保安本部は、全道で起きた「平成27年の海難事故発生状況(速報値)」を発表した。このうち、釣りや遊泳など「マリンレジャーに伴う海浜事故」は、事故者数が39人で、前年の平成26年に比べ7人減少。このうち死者・行方不明者は14人で、こちらも一昨年に比べ4人減少している。事故の種類別では、最も多いのが「釣り中」で、39人中23人(全体の約6割)。このうち死者・行方不明者は11人いた。一昨年の「釣り中」の事故者数は20人(死者・行方不明者は9人)だったので、マリンレジャー全体の事故者数や死者・行方不明者数が減少したにもかかわらず、釣り中の事故は逆に増えていることになる。平成25年の事故者数23人(死者・行方不明者11人)と同数であり、平成22年以降、最悪となっている。
 一方、「船舶海難隻数」は、全体で109隻で、過去最少。船種別では、最も多い「漁船」が47隻(一昨年比23隻減)、次いで「プレジャーボート」の28席(一昨年同数)となっている。「遊漁船」は11隻(一昨年比6隻増)。漁船の海難が大幅に減り、過去最少となったのに、プレジャーボートは横ばいで、遊漁船は平成19年以降最多だ。ショア、オフショアともに釣り関連事故が減れば、全体の海難発生件数はさらに減りそうだが、現状では足を引っ張っている格好だ。
 昨年、海で起きた釣り中の事故で、マスコミでも大きく取り上げられたのが、5月27日に伊達市の沖合で起きたゴムボートの転覆だ。何らかの原因でゴムボートの空気が抜け、海に投げ出された2人の男性が死亡した。ゴムボートが絡む事故は5月23日、士別市の岩尾内湖でも起きた。コイ釣りをしていた男性がバランスを崩して転落し、死亡している。ゴムボートでの釣りの愛好者は増えつつあるが、安全のため、ライフジャケットを着用するのはもちろんのこと、防水タイプの携帯電話の準備も怠ってはならない。ライフジャケットを着用していても、水中では低体温症で死に至る場合もある。釣り場では異変に備えて2隻以上で行動することを心掛けたい。釣り仲間は大切だ。
 港での事故も相次いだ。4月26日、函館市の大舟漁港で、釣りに来ていた親子連れのベビーカーが強風にあおられ、高さ約2bの防波堤から転落。ベビーカーには生後10カ月の娘が乗っていた。母親が助けようと海に飛び込み、父親が差し出した釣りざおにつかまっていたのを、漁港にいた漁師の舟によって助けられた。幸い、母子にけがはなかったが、運が良かったとしかいいようのない事故だ。6月3日、釧路西港第3ふ頭で、釣りのために訪れた男性が車ごと転落して溺死した。7月13日未明、苫小牧東港の防波堤で夫婦で釣りをしていて、妻が転落。妻は消防に救助されて助かったが、助けようと海に入った夫が、行方不明になって死亡した。9月21日、大樹町旭浜漁港に釣り来ていた男性が行方不明になった。10月4日、森港で釣りに来ていた男性がいなくなり、海中を捜索したダイバーにより発見されたが死亡した。ライフジャケットは着ていなかった。
 12月6日、ホッケ釣りの名所として知られる泊村の盃漁港で荒天の中、転落事故が起きて、マスコミでも大きく報じられた。恐らく波にさらわれたのだろう。2人の若い命が失われた。ライフジャケットは着ていなかったという。
 昨年は、川釣りでの事故も目立った。3月21日、釧路市音別町の音別川河口付近で釣りをしていた男性が、友人と川を渡っていた際に転倒して流された。ライフジャケットは着ていて、約2時間半後に沖合100bほどの海面で消防に救助されたが、死亡した。6月25日、釧路川ととう(漢字は金偏に当)別川の合流地点付近に車が放置されており、釣りに来てい男性が行方不明になった。7月29日、美瑛町の忠別川で釣りをしていた男性も2`ほど下流に流され死亡した。釣り仲間と2人で釣りをしていて、川を渡ろうとしてバランスを崩して流された。8月21日、斜里川でもヤマベ釣りの男性が流され、約200b下流で発見されたが死亡した。同行者によると岸から川の中央の浅瀬に渡ろうとして流されたそう。岸から浅瀬までは約12bで水深は60〜70aだったという。こられの川釣りの事故では、同行者がいても、流されるとなかなか助けられないことが分かる。ライフジャケットを着用し、過信しない無理をしないが大原則だ。
 8月24日、愛別町の愛別川橋下流約1`の石狩川右岸で、釣りに来ていた男性が倒れているのが捜索していた警察官によって見つけられたが、死亡が確認された。8月30日、中標津町の川で釣りをしていた男性の行方が分からなくなり、同21日に標津町の海岸で遺体が発見された。釣りをしているときに流されたようだ。9月23日、上ノ国町石崎の山中で、釣りに来ていた男性3人が行方不明になった。翌日に発見されたが、1人が崖から転落してけがをしており、道警のヘリに救助された。他の2人にけがはなく、自力で下山した。
 まだワカサギの氷上釣りが続いているが、今季は暖冬で、全道的に開幕が遅れた。管理者のいない釣り場では、待ちきれない釣り客が、薄氷に乗り、落水する事故も相次いだようだ。春に向かい、氷が緩む時期にまた同様の事故が起きないようくれぐれも注意してほしい。テント内での一酸化炭素中毒も同様だ。趣味の釣りごときで、命を落とすようなことは、絶対にあってはならない。
海で死ねたら本望だ≠ニいう釣りバカは、ただのバカである―――
魚と釣りのことわざ、格言、名言。ついでに自身の妄言も。
 2016.1.6_2
 魚や釣りにまつわることわざや格言、名言の類は数知れない。魚に関するものなら「鰯(いわし)の頭も信心から」とか、「魚心あれば水心」、「柳の下にいつも泥鰌(どじょう)は居らぬ」、「腐っても鯛」などが、すぐに思い付く。「鯖(さば)の生き腐り」というのもある。鯖はとても傷みやすい。外観からだと新鮮そうに見えても腐っていることもあるという意味だ。ちなみにこの生き腐りには、調べてみたところ2通りの意味があるようだ。
 1つは文字どおり腐敗の意味。鯖は肉質が軟らかく水分が多い。また、内臓に含まれている消化酵素の力も強い。そのため死後、この酵素によって自己消化を始めてしまう。水分を伝って腐敗菌が急激に繁殖するのだという。
 もう1つは、鯖が死ぬとアレルギーのような食中毒症状を起こすヒスタミンが生成される。食べた人がジンマシンや腹痛などを起こす。ヒスタミンは加熱しても分解しないので、鮮度に注意しよう。
 「秋鯖は嫁に食わすな」の由来には、脂が乗って美味しいから食べさせないという嫁いびり説と、前述の理由から嫁の体への気遣いという逆の説もある。「鯖を読む」は、数をごまかすという意味。これにも諸説あるが、昔の魚市場での取引で、鯖が腐りやすいために早口で数えて魚箱に投げ込んだため、後で数が少ないことが多かったことによるというのが一般的だ。
 一方、釣りに関するものでは、「逃がした魚は大きい」が有名だ。惜しさや悔しさも加わって、手に入れそこなったものは、実際より大きく、価値があるように思われるという意味で使われる。私の体験でも、「忘れられないのは、釣った大物よりも逃がした大物」である。「竿の片方の端には魚がいて、もう一方の端にはバカがいる」はフランスのことわざとか。釣りをしない人には考えられないような「釣りバカ」がいるのは万国共通だ。「幸せな釣り人に幸せな家庭はない」というぐらいである。私も家庭が崩壊したケースや、なりかけたケースを見聞きしている。それぐらい一途な釣り人が、自己弁護のように使うのが、以下のちょっと長いことわざである。
 1時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい。
 3日間、幸せになりたかったら結婚しなさい。
 8日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい。
 永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい。
 これは、開高健が「オーパ!」という釣りに関する著作の中で、中国の古いことわざとして紹介したことで、広まったといわれている。「八日間…」が「1週間…」とか「 永遠に…」が「一生…」と言い換えられたり、似たようなことわざとごっちゃになって使われている場合もある。ともあれ、釣りには、それだけの価値があると言いたいわけだ。
 同じ中国には、「1匹の魚を与えても1日しか食べられない。釣りを教えれば一生食べられる」というのもあるそうだ。現代では、釣りを覚えても一生食べられるわけではないが、「芸は身を助ける」と解釈すべきだろう。
 「海で死ねたら本望だ≠ニいう釣りバカは、ただのバカである」、「死んでもいいから、ライフジャケットは着るべきだ」は、海で釣り人の捜索に携わった人の本音だろう。家族の悲しみも忘れてはならない。海だけでなく、川や湖でも同じである。「ライフジャケットを忘れるぐらいなら釣り竿を忘れた方が良い」。
 「釣った魚をしょっちゅう居酒屋に持っていくと、店の人間に嫌われる」も私の体験。うちの魚は食えたもんじゃないということかよ≠ニ思われた
らしい。だが、もらう側は、「釣り魚の価値を、魚屋の値段で表してはいけない」。「釣り人にとって、釣り魚はすべて高級魚≠ナある」。釣り道具代、仕掛け代、餌代、ガソリン代、高速代、釣り船代…。「釣り人をほめるときは、魚ではなく腕をほめよ」。
 「ビギナーズラックが起きるのは、そうなるために気を遣っている人がいるからである」。最初は釣れても、いずれスランプに陥り、それを乗り越えた時に、本当の楽しさが見えてくる。そして、「釣りの楽しさが分かり始めるのは、不幸の始まりでもある」。「釣りは運次第だと思っている人は決して上達しない」。「努力したからといって釣れるものではないが、努力しなければもっと釣れない」。「釣りも続けていなければ、腕が鈍る」。「同じ腕前なら、良い釣り道具を持っている釣り人に軍配が上がる」。「安物の釣り道具で、たくさん釣れたときは、まぐれです≠ニ言えば良い釣り友でいられる」。「上手な釣り人は、たいてい無愛想である」。「釣りが上手で、心の広い人を釣り名人という」。
 「釣りの楽しさは、釣り場に着くまでにほぼ味わえる」。道具をそろえ、仕掛けを作り、釣り場に思いを巡らし…ワクワク、ドキドキが楽しいのだ。
 釣り人のマナーの悪さに困っている漁業者は少なくない。「釣り船に乗ってくれるお客さんだけが、良い釣り人である」と、船頭さんに言われたことがある。「釣れない時は、潮が悪いという船頭」は言い過ぎだろう。釣り船を続けていけるのは良心的だからだ。 「釣り情報に0〜10匹とあれば、自分はゼロかも知れないと思う釣り人は、まずいない」。釣り人、いや人間とはそういうものだろう。 
 最後に、「若者が貧困で結婚できなかったり、安心して家庭を持てないような社会では、釣り界の発展はない」と言いたい。
再編進む北海道の釣り具小売業界 2016.1.6
 釣り業界紙の2016年新年号を見た。業界のお偉いさん方による毎年恒例の年頭所感が、今年も掲載されていた。その中の1人で、大手釣り具チェーンの社長は、「2015年末のボーナスを近年にない水準で出した」と自慢していた。業績も順調という。これを聞いたら、北海道内の小売店は、一体どこの国の話だと思うのではなかろうか。年末に、釣り情報収集のために道内のある小売店に電話したところ、何回かけても電話に出ない。体調でも悪いのだろうかと心配していたら、ようやく奥さんが電話に出て、「主人は冬場は、お客さんが少ないので出稼ぎに出ている」という。家族を養っていくために、必死なのだということが伝わってきて、知らなかったとはいえ、こちらの都合ばかり考えて電話をしたことを恥ずかしく思った。それほど、道内の釣り業界は苦境に立たされている。上場企業などには、景気回復の兆しがあるとはいうものの、地方の中小、零細企業には実感がなく、いまだかやの外である。道内でも、札幌圏への一極集中が進む中、過疎化にあえぐ地方の小売店の経営は苦しさを増して、廃業などで減る一方だ。2013年にシマノが北海道営業所を廃止したことは、市場としての北海道の存在価値の低下を象徴する出来事だった。今、本州の名のあるメーカーで北海道に拠点を設けているのは、1人出張所のレベルを含めてもほんのわずかだ。
 振り返れば2003年に、釧路が発祥の釣り具チェーン「武美」が行き詰まり、民事再生法の適用を申請したことが、道内の小売業界の再編を加速させたように思う。当時を知る関係者は、「大口債権者のダイワが、半ば強引に手形を切らせたのが引き金になった」と話していた。武美は取引先の釣り具問屋で、債権者でもある「アイビック」の傘下に入り、同社が小売業に進出するきっかけともなった。アイビックの小売部門はその後も、経営の傾いた小売店を吸収する形で規模を拡大。札幌の屯田地区に大型店も新規に出店し、問屋としての取引先でもある周辺の競合店との軋轢も生じた。「問屋でありながら、同一商圏内に、取引先である既存店舗の経営を脅かすような大型店を出店するのは背信行為」との批判も噴出した。現在、同社が経営する「つり具センター」は10店舗に増え、この10年ほどに道内最大手の「フィッシュランド」に次ぐ小売チェーンとなっている。2004年には、問屋の「フィッシング稲井」(釧路市)が破産したことも、道内の釣り業界の厳しさを感じさせた。
 こうした動きの一方で、2015年9月には、1店の店舗面積では東北以北最大級の規模を誇る「アメリカ屋漁具」(札幌市)が、新潟市に本社を置く「本間釣具店」に経営譲渡し、新会社の「アメリカ屋漁具新潟」を設立して、新たなスタートを切ることになった。本間釣具店は新潟県を中心に、富山、金沢、福井と北陸地方に7店舗の大型量販店を展開する有力釣具店。社長の本間陽一氏は、日釣振の本部役員でもあり、釣り人のための港湾開放活動など、釣り振興にも熱心なことで知られる。旧アメリカ屋漁具は、創業社長が病に倒れ、2014年には、長男の2代目社長が急死するという不幸にも見舞われた。店舗建物も売却して、賃貸での店舗運営となるなど、先行きが不安視されたが、ここにきて大きな転換点を迎えることになったといえる。本間社長とは、創業社長時代から交流があったことが、背景にあるという。新社名に旧社名を残したり、社員もほとんどが新会社で再雇用されるなど、今のところは、いわゆる“ホワイトナイト”という印象だ。既に、POSレジを導入するなどの経営改革にも取り組んでいる。商品陳列のリニューアルや、春以降の釣りシーズンに向けてのイベント開催なども積極的に行う方針だ。同社は、問屋業務も行っており、アイビック同様、仕入れ面でも強みがある。取引先の1社も、「新生アメリカ屋漁具には大いに期待している」と話していた。
前出のボーナス自慢の社長は、「大型店同士の争いで市場を混乱させることは自重したい」としながらも、「競合してくる店については断固徹底的に対抗していく」と、けん制している。まるで、暴力団の縄張り争いのようなすごみ様だが、業界全体がそうしたムードに覆われているという証だろう。ダイワ、すなわちグロープライドが、小売チェーンを広域展開し、アイビックのような問屋も小売業務に力を入れるなど、もはや、釣り業界にかつてのような垣根はない。加えて、ネット販売による異業種参入、中古市場の台頭と、限られたパイを巡って、釣り具流通戦国時代といった様相を呈している。今後も釣り人口の減少による市場規模の縮小が続く限り、強者が弱者を呑み込むという構図に歯止めはかからないだろう。道内のある小売店は、「アイビックにいつでも面倒を見るよと言われた」と明かす。小売業界再編は、さらに続きそうだ。

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