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北海道アングラーズペンクラブ 【2017年記事一覧】![]() 事務局 TEL 011-709-1873 E-mail info@tsuritomo.net
釣りの専門紙や雑誌など各種媒体に掲載された記事や、書き下ろしのエッセイなどを掲載。
※ 転載については許可を受けています。
![]() 2016〜2017(春季まで)釣りと魚と環境、この一年 2017.9.3 相次いだ釣り人の死亡事故 2016年11月19日の地元紙に、稚内港で釣りをしていたらしい男性(81)が、海上で浮いているのが発見され死亡したとの記事が載っていた。その3日前の16日の紙面にも、別海町の走古丹漁港で釣りをしていた男性(50)が海中に転落し死亡したとの記事が載った。死因は低体温症という。転落したのは16日の午前1時ごろで、前日からの夜釣りだったようだ。ほぼ1年前の2015年12月6日に、ホッケ釣り場としての知られる泊村の盃漁港で若者2人が波にさらわれ海中に転落し死亡した事故を思い出す。2016年にはこうした事故起きないよう願っていたが、2016年11月に島牧村栄浜の岩場で1人、12月に知内町小谷石漁港で1人、年が明けて2017年1月14日、白老港でも1人が海中に転落して亡くなっている。白老港のケースは車ごと海中に転落するという事故だった。乗っていたのは85歳の高齢者だった。車の操作を誤ったためらしい。2016年はアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故や高速道路の逆走など、高齢者による運転の問題がクローズアップされた。港の岸壁では、車の前面や背面を海側に向けないで、なるべく離して止めるなどの配慮が必要だろう。2017年4月8日、岩内港の新港地区(旧フェリーふ頭)で、札幌市の釣り人が海に転落して死亡した。まことに、残念だ。毎年春先は、天候の急変などで、釣り人の事故が起きやすい。くれぐれも注意してほしい。 サケは大不漁で、カラフトマス豊漁 2016年、道内の釣りをめぐる最大の話題は、サケの大不漁だろう。国立研究開発法人水産研究・教育機構北海道区水産研究所(以下、北水研)によると、2016年10月31日現在、北海道におけるサケの漁獲数と採卵のための捕獲数を合わせた総来遊数は2376万2000尾で、2015年同期の3398万尾の70%となっている。北海道ばかりでなく、青森、岩手、宮城などの本州方面の来遊数も軒並み2015年を大きく下回っている。北海道の2015年の来遊数は3682万1000尾。2016年の残り2カ月に前年同様300万尾程度上乗せされたにせよ、2015年の数字から1000万尾も下回ることになる。 2016年、設置から120年を迎えた千歳川のインディアン水車。サケの卵のふ化、稚魚放流のために捕獲しているが、こちらも2016年11月18日現在、16万0665匹で前年同日の26万3944匹に比べ10万3279匹減(60.8%)と大幅ダウンは必至だ。地方独立行政法人北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(以下さけます・内水面水試)のさけます資源部の2016年の来遊予測は3901万5000尾で前年比106%と予測していただけに大外れの結果となった。東京・築地市場では前年より秋サケの卸値が3〜4割も高くなり、食卓にも影響が出た。不漁の原因としては、相次いだ台風の影響などもあるらしいが、要するに良く分からないらしい。 アイヌは、サケを神様からの贈り物として大切にし崇めたが、和人は、薬漬けのサーモンなどを輸入して「うまい、うまい」と食べるばかりでないがしろにし、外国に輸出までしている。消費者のわがままと、自然のキャパを無視しての生めよ増やせよの強欲ぶりに、きっと神様が「もうお前たちには、秋サケは必要ないようだ」と怒っってしまったに違いない。いっそ関係者一同、天を仰いで手を合わせ、「お許しください」とサケ乞い≠してはどうか。何が原因なのか分からないのだから、もはや神頼みしかないのではなかろうか。 サケ用ルアー用品の販売不振も 釣りとの関係では、「2016年はサケ用のルアーやロッドがほとんど売れなかった。急激にウキ釣りにシフトした」と、ある釣具店は話す。2016年は魚影が薄いためになかなか釣れず、サオを振り続けるウキルアー釣りは疲れる。ウキ釣りは、待っていればいいので楽だ。サケ釣りは中高年の釣り人も多いからなおさらだろう、というのが私の分析だがいかがなものだろう。また、ウキ釣りに比してルアー釣りは用具の価格が高いこと、さらにウキ釣りの方が釣れる場合もあることが理由だろう。ウキ釣りは着水音が小さく、サケへの刺激が少ないということも考えられる。 さて、その一方でカラフトマスは、2012年以来不漁続きだったし、しかも2016年は不漁年(偶数年)に当たることから、はなっから絶望視されていた。ところが、ふたを開ければびっくりするような豊漁となった。北水研によると、2016年9月30日現在、来遊数は887万尾で前年同期422%となっている。9月末までの来遊数としては、平成16年以降の不漁年では一番多い。1989年の平成元年からの平均値である平年同期でも108%と上回っている。これは、今後はカラフトマスを、「オホーツクサーモン」と称してブランド化し、もっと大切にしていこうという機運が盛り上がったので、神様が「それでは少し増やしてやろうか」と多めに授けてくれたに違いない。 マイカなども深刻な不漁に サケ以外では、マイカ(スルメイカ)の不漁が深刻で、道南は過去10年で最低、道東も前年の1割以下だ。ところが、2016年の11月になって日本海の積丹周辺などに、イカ釣り漁船が集結するようになった。釣り船も、いつもはこの時期にあまりしないマイカ釣りを始めた。「例年、この時期にマイカはいないこともないが、今年は特別多い」と釣り船の船頭さんは話していた。海水温の上昇にともないマイカの漁場は、以前よりも北側にできる傾向があるという。 道東沖のサンマも不漁。暖水塊が道東沖に居座っていることも一因という。結局、2016年のサンマの水揚げ量は、道内、全国とも過去最低となった。サンマの不漁やロシア200カイリ内でのサケ・マス流し網漁の禁止が響いて、根室の同年の水揚げ量も60年ぶりの低水準となった。近年豊漁だった道東沖のサバも、昨年に比べ7割減の不漁だ。台風で、ホタテ、カキ、シシャモ、コンブなども打撃を受けた結果、2016年の道内の漁業生産量は、1958年以降で最低となる見通しだ。もっとも、ブリは豊漁で、オホーツクでもブリ釣り大会が開かれるほどの盛況ぶりだった。釣り人にとってはありがたいことだが、喜んでばかりいていいのかという不安がよぎる。神様が新たな罰を与えませんように。 再び原発の危うさ突きつけた熊本地震 2016年4月に起きた熊本地震は、東日本大震災後初めて再稼動された鹿児島県の川内(せんだい)原発から震源地まで、直線距離にして110キロほどだった。原発は幸い事無きを得たが、改めて日本における原発の存在の危うさを国民に突きつけた。福島原発の事故については、廃炉・賠償費用の経産省の試算が、想定の2倍の20兆円にも上ることが明らかになった。廃炉には国費、すなわち税金が投入され、賠償費用は国民の電気料金に40年間も上乗せされることになるという。それでも懲りずに、泊原発のように再稼動を目指したり、青森県の大間原発のように新たに建設しようとしたりしている。福島のような事故が再び泊村で起きたら、北海道は終わりである。北海道の産業の3本柱である農業、水産業、観光業も、「うちは非難区域外だから」とか「同じ北海道でも遠いから」で済むはずがないのは、福島の例をみても明らかだ。大間で起きても終わりだろう。2017年の東京・築地市場での初競りは、212`の大間産のクロマグロが、7420万円の高値で競り落とされた。記録のある1999年以降、2013年の1億5540万円に次ぐ高値となった。大間のマグロが今後もブランドであり続け、毎年正月にテレビで放送される「マグロに賭けた男たち」の人気シリーズが続いていくことを祈りたい。 福島沿岸の魚介類の放射線セシウム濃度検査で、2016年に採取した全ての魚介類が国の基準値(1`当たり100ベクレル)を下回った。暦年、すなわち1年を通じて基準値を下回ったのは、原発事故後初めてだ。福島沖の漁はまだ試験操業の段階。これからも風評被害との闘いは続くだろう。 2016年は北朝鮮のミサイル発射実験が繰り返された。2016年11月には北方領土にもロシアがミサイルを配備した。ミサイルには核弾頭を装備する必要などない。日本の原発を狙えば同じことである。2016年12月の日露首脳会談では、領土問題は何も進展せず、3000億円規模の共同経済活動を行うことになった。共同経済活動にカネを使うくらいなら、根室地区に巨大な養殖施設でも作った方がましなのではないか。 マイワシ豊漁で港でもロングランで釣れる 2016年8月に北海道を襲った台風は、道東を中心に大きな被害をもたらした。同年12月には、札幌の積雪が90aを超え、50年ぶりの大雪となるなど北海道には冬が早く訪れた。道内各地のワカサギ氷上釣りも、結氷が順調で開幕が早まったところが多かった。しかし、台風による水害で泥水が流入したり、放流した発眼卵が流されたりして釣果が思わしくないところもあったり、釣りそのものを断念したところもあった。 オホーツク海の流氷の面積は縮小傾向が続く。その一方で、沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁の7割が大規模な白化現象で死滅した。海水温が高い状態が続いたためだ。2016年の全道のコンブ生産量も高水温など影響で、記録が残る1958年以降で最低になる見込みだ。自治体別で日本一のコンブ産地の函館市の生産量も半減という。昨年1月の「爆弾低気圧」により、天然コンブが流されたり、夏場の高水温で葉が枯れたりしたためという。「コンブが少ないとアブラコなどが釣れなくなる」は、釣り人の定説だ。サケ、スルメイカ、シシャモなど不漁が目立つ中で、道東沖のマイワシは豊漁だった。マイワシは港の釣りでも、日本海側や道南を中心に5月から11月までロングランで楽しませてくれた。 石狩湾新港では、2016年は5月からシャコがよく釣れていた。同年10月には秋ニシンも良かった。夏場の道央、道南日本海の港では、サバ、イワシなど暖流系魚種が盛況だった。室蘭港では春から初夏にかけてのカレイ投げ釣りが好調だったが、同港や苫小牧方面のアナゴはぱっとしなかったようだ。 農水産物の輸出が過去最高。食料の自給率問題、 脱ダムもどへやら 苫小牧沖は、春の大型マガレイ、ソウハチ、そして夏場はマイカ(スルメイカ)昼釣りと続くが、マイカは開幕が送れ、2016年8月後半になっても貧果だった。おまけにサメが多く、仕掛けごと持っていかれるという被害が続出した。サバもうるさく、マイカの3桁釣りは過去のこととなりつつある。 日本海積丹沖のマイカ夜釣りは、ほぼ例年どおり6月下旬に開幕した。良い時は、1人300、400匹だったが、片道1時間というような遠いポイントでの釣りが多かったようだ。函館など渡島管内のマイカは、漁獲量が過去最低となった。一方で、釧路、根室などの道東は豊漁だった。津軽海峡周辺の海水温が高く、太平洋を北上してくるマイカの漁場が、海水温が低く適水温の道東沖に形成されるという傾向が続いているためらしい。鵡川などの日高沿岸のシシャモが過去最低水準の不漁だったのも、海水温上昇との関係が取り沙汰されている。 道東では、サンマが前年よりも大幅に減って、過去最低の不漁となった。水温上昇で公海上に漁場が形成され、中国などの外国船が大量に漁獲しているのも一因と言われている。サバやマイワシは豊漁だった。サンマなどは豊漁だと、ベトナムなどに輸出するという時代となった。 昨年は、農水産物の輸出が過去最高となった。あれだけ騒がれていた食料の自給率問題はどこへやら。「あんなものは、農水省が補助金を分捕るためにでっちあげたプロパガンダ」という識者もいる。カレー屋チェーンのチキンカツじゃないが、食べられずに捨てられている食品は年間に500〜800万トンで、コメの収穫量とほぼ同じという。今後はTPPで、さらに食料が日本になだれ込もうとしている。さすがに、こんな日本で「食料の自給率が危機的!」などと叫んだところで、だれも省みないだろうし、マスコミも取り上げなくなった。 どこへやらということでは、脱ダムもそうだ。2016年、道内でマスコミが話題にしたのは、当別ダムの完成後に、札幌市が水の需要予測を下方修正し、「本当に必要だったのか」と市民団体が反発したということぐらいだった。国民の関心事の風化速度は、相変わらず速い。風評被害がしぶとく残る中で、原発もじわじわと再開へと向かいだしている。 日本海、太平洋ともに好調だったサクラマス釣り 暖冬だった2016年〜2017年の冬。オホーツクでは流氷の接岸が遅く、規模も縮小している。2017年、網走では観測史上、最も遅い2月22日となった。石狩や小樽の海岸では、2017年の2月に春ニシンの群来(くき)≠ェあった。漁も好調で釣り人もおこぼれにあずかった。2016年秋から2017年春にかけては、道央、道南日本海の磯や港のヤリイカが好調だった。 積丹沖のサクラマス釣りは、例年5月10日ごろまで続く。2016〜2017年は好調だった。3`を超える大型も目立った。ある遊漁船の船頭さんは、「これほど良かったのは、ここ十数年にない」と話していた。瀬棚方面から道南にかけても好調だった。以前は、邪魔者だった外道のホッケが、不漁で高級魚になり、リリースせずに持ち帰る人が増えたという。 日本海のサクラマス船釣りは、瀬棚から南は、バケ釣りが中心。「シャクリは持ってはいるが、滅多に使わない。数釣りには向かないと思っているのかも」と奥尻の釣具店。積丹沖は小型のうちはバケで、型が良くなるとシャクリになる。しかし、近年はルアーを使う人も増えている。「サクラマス用に改良が進み、実際釣れている」と、前出の船頭さんも話していた。今後は、夏場のブリと並ぶ2大ルアーフィッシングとなるかもしれない。2016年のブリも活況を呈した。 ニジマスの指定外来種指定免れるも油断禁物 胆振沖のサクラマスは、2016年の1月になっても水温が10度ほどと高く、サバ釣りになってしまった。「例年は6度ぐらい。この時期にサバが釣れることはなかった」と苫小牧西港のベテラン船頭さんは話す。サクラマスは2月に入ってからようやく本格化。1月の不振を挽回するほど好調で、シーズンも長く続いた。 胆振沖でサクラマスの少し前に始まるスケトウダラはまずまずだった。スケトウダラの資源が良いのは胆振沖ぐらいで、日本海側が激減、根室海峡系群はロシアのトロール船に根こそぎやられて不漁続き。羅臼方面はブランドのホッケも大不漁で、幻の魚になりつつある。ロシア200カイリ内のサケ・マス流し網漁も禁止された。海水温の変動だけでなく、トド被害、プーチンにも振り回され、漁業者の困難は尽きない。 豊浦町の秘境駅で、廃止が取り沙汰されたJR室蘭本線「小幌駅」は、2017年4月から1年間存続することになった。その後については、利用されなければ廃止だろう。小幌駅は、秘境釣り場として知られる小幌海岸への唯一の陸側ルートでもある。ぜひ釣りに行こう。 道による指定外来種の指定から、とりあえずニジマスは免れた。今後も検討が続けられていくので、北海道の釣り界は気を引き締めなければならない。 |
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